各種学習教材の概要、ポイント&解説、親や生徒に向けたアドバイスを見るなら『教材.jp』

わけがわかる中学社会

を教育現場のプロが分析してみた

  • 2019年12月10日
  • 2019年12月9日
上村清人

どうも、横浜市南区にある進学塾フォルテで文系科目を担当している上村(かみむら)です。

上村清人

私たちの塾の特長は、子どもたち一人ひとりと向き合うための少人数制集団授業です。

上村清人

ここでは、個人的に本当に良いと思う教材を紹介したいと思います。

教材名/出版社

教材名 わけがわかる中学社会
会社名 学研 (Gakken)

この教材はどんな人におすすめですか?

「社会が好きな小学生高学年の子」から「社会が苦手な中学3年生」まで幅広い層にオススメできます。というか、大人が読んでも普通に面白いです。ちなみに難しい漢字には、ふりがなが振ってありますので、その点では小学生でも読みやすくなっています。公民分野は流石に小学生には初見の内容が多くなりますが、それでも楽しく学べるたくさんの工夫が凝らされているので、心配ありません。

教材概要

本書ではQ&A方式で中学社会の地理・歴史・公民における重要なポイントを取りあげていきます。

  • 社会が好き/得意な子には対しては好奇心をくすぐる
  • 社会が嫌い/苦手な子に対しては興味の持続ができる

そんな工夫が随所に散りばめられています。

内容が抜群に良いのはもちろんですが、表紙にも見られるように本の仕様が全体的にキャッチーなのが特徴です。具体的には、本自体がフルカラーであったり、対話形式の文章構成が多用されていたり、文字だけでなく写真やイラストなど視覚的な情報が多かったりなどです。とにかく取っ付きやすい作りになっています。

また、登場するキャラたちもシュールな感じで個人的に好きですし、彼らが読者の興味の持続に一役買っているのは間違いないでしょう。

教材のポイント

POINT 1
問題のチョイスが良い
高校入試や中学校の定期テストで出題頻度の高い内容の問題が軒並みクエスチョンとして取り上げられています。そしてそんなクエスチョンの合計数がなんと122問!この圧倒的な量!

また、それぞれのクエスチョンの内容に応じて、単純に文章で考えさせるものだけでなく、答えが選択形式になっているものもあり、そこのバランスもナイスです!塾講師ならば、本書を読みながら「いいね~、いいね~」とつぶやいていることでしょう。それほど、取り上げている問題の量と質、そしてそれらを上手くまとめるバランス感覚が冴え渡っているのです。

POINT 2
写真・イラスト・地図・グラフなどの資料が豊富で良い
社会を勉強する上で、ただ字面だけを追いかけていても、内容を十分に理解することはできません。というのも、教科の特徴として写真・イラスト・地図・グラフなどの資料から、視覚的に学ぶべき内容が多いからです。実際に高校入試や中学校の定期テストでも、そういった資料を用いた出題が多くなっています。

その点、本書は資料が非常に豊富です。さらに工夫として、クエスチョンのページの多くにインパクトのある写真やイラストが付けてあり、それが読み手の興味をグッと引き込む(または読み手の離脱を防止する)仕組みになっています。解説ページにも多くの資料が掲載されているのですが、これがまたグッドチョイス!これらの資料の数々に対して、塾講師ならば、本書を読みながら自然と口元がゆるんでニヤけていることでしょう。それほど、掲載されている資料もまた量・質ともに良いのです。

POINT 3
解説ページの「あわせて確認!」が良い
解説ページには、メインとなるクエスチョンに対するアンサーとその解説だけでなく、関連した周辺知識を得ることができる「あわせて確認!」があります。このいわゆる「広げる」学習は社会において非常に重要です。

例えば、「Q17.扇状地に果樹園、三角州には水田が多いのはなぜ?」の解説ページでは、扇状地や三角州の写真とイラストを交えた解説に加えて、「あわせて確認!」で世界の河川と比べた日本の河川の特徴にも触れています。ここは、中学校の定期テストにおいて結構出題されやすい部分です。このような広げ方に対して、塾講師ならば、本書を読みながら自然と親指が立っていることでしょう。それほど、「広げる」学習は社会の学習において重要なのです。

POINT 4
付属の「重要なポイント」が良い
既に紹介した「クエスチョンに対する解説」、「あわせて確認!」のほかに、各分野の「重要なポイント」がコンパクトにまとめて収録されています。

地理であれば世界地図と日本地図でそれぞれ州ごと・地方ごとの特徴や環境問題についての軽い解説、歴史であれば原始から現代までの年表、公民であれば日本国憲法の重要な内容や三権分立の表、といった具合です。こういったまとめがあることで本書は、単なる学習系の企画本ではなく、参考書たりえていると言えます。ここまでくると、塾の講師ならば、本書を読みながら自然と恍惚の表情を浮かべていることでしょう。それほど、手堅く抑えるべきところを抑えているのです。

先生よりアドバイス・メッセージ

本書は中学社会の参考書や読み物としては、間違いなく素晴らしい一冊です。ただ注意していただきたいのは、本書は「高校入試や定期テストの対策用の教材として、これ一冊あれば大丈夫!」というものではないということです(そもそもそんな魔法のような教材はないです)。

これらで高い点数を取るためには、教科書・資料集・学校のノートでの学習が大前提で、その上で本書を使いましょう。特に教科書やノートだけでは理解できなかった部分が本書によって補完される効果は高いでしょう。

最後に受験生にアドバイス。高校入試の受験勉強においては、社会は基礎知識の復習ができたら、どんどん演習量を重ねるべきです。さまざまな出題形式に合わせて、今までインプットした知識をアウトプットすることで、初めて実力がつきます。なので、受験生の皆さんは本書をきっかけとして、問題集や入試過去問をたくさん解いて実力をつけていきましょう。

この教材についてのみんなのツイート


この教材をAmazonで見る

教材.jpをフォローして最新情報をチェックしよう!